株の投資先としての製薬会社

最終更新日 2024年9月15日 by iryou

製薬会社への投資について

バイアグラが一般消費者の間でもてはやされた時、ファイザーの株価は、ウナギ昇りとなり、投資家も消費者と同様ハッピーでした。

ファイザーは、バイアグラを出す前から有名な会社でしたが、バイアグラを出す前は、株を保有している方は少ない会社でした。

投資家が製薬会社に投資をしたがる理由はたくさんありますが、次の新薬を狙って、投資をしたいとしても、なかなか難しい業界ではあります。

以下にどのように製薬会社に投資をしていけば良いかについて、見て行きます。

どんな製品ラインナップがあって、なぜ、時間がかかるのでしょうか?

ワクチンや、ステロイド、免疫抑制剤、媚薬など、研究段階にあるものが、世の中には多くあります。

薬局に並ぼうとすれば、平均10年から15年位かかるものです。

それ程、長くかかる理由というのが、監査機関がきちんと副作用が薬で出ないかなどをチェックするためです。

監査を通った後でさえ、監査機関は、問題があれば、薬の販売許可を取り消すことができます。

致命的な病にかかっている人は、この監査機関の厳しさを嘆くかもしれませんが、この監査があるおかげで我々は、アスピリン等を心配なく使うことができるようになっているのです。

小さい会社と大きい会社の間をきちんとチェック。

伝統的な会社は、新しい会社よりも安全です。

新しい素晴らしい新薬を作る会社が現れたとしても、大手企業は、それにならって薬を作ったり、その新薬を作る会社をパートナーとしたり、その会社自体を買収したりします。

これは、小さな会社にとっても、大手の販路を使うことができるので、安全なことだと言えます。

加えて、大手は、もし、監査で止まってしまったとしても、また研究室にその新薬の種を戻すこともできるのです。

しかし、薬を研究室から出したり、世の中に広めたりしている小さな会社は、考慮するに値します。

小さな会社とのパートナーシップや、買収は、大手の大体3分の1から4分の1位を占めています。

一部の小さな会社は、単独のままで、直接、病気が広まっているところの医者に売り込みをかけたりもして、成功している会社もありますが、例外的な存在と言っても良いでしょう。

・株価の指標チェック

静岡県富士宮市に本社を構える小さな製薬会社を見てみると他の業界よりもPERが高いことが分かります。

これは、製薬にかかるコストの多くが様々な研究開発にかかるものであり、大抵は、すぐに必要となる費用だからです。

つまり、製薬業界は、薬が市場に出回り、収益につながるまでに何年もまず、開発のコストを支払わなければならないのです。

つまり、PERは今の値でなく、10年先や20年先のものを指していることが多く、他の業界よりもPERが高くみえるのです。

他の指標としては、ROEも少し解釈を変えておいた方が良いです。

概して、製薬業界の会社は、高いROEを示しており、将来の薬の成功を前提としたROEになっているのです。

・製品ラインナップの大切さ

製品ラインナップの豊富さは、大きい製薬会社にも小さい製薬会社にも重要なことです。

これにより、その会社が投資先として良いか悪いかの主要な判断基準になるからです。

ジェネリック薬品が出るまでに、特許を持っていれば長い間、その特許で稼ぐことができます。

小さな会社は、特にこの特許数で、少ないことが多く、経営が難しくなることが度々あります。

製薬会社が新薬を開発し続けることは、暗闇に矢を射るようなものです。

矢を放てば放つほど、的に当たる確率は高くなります。

・健全な割合での新薬開発

時として、あまりに多くの新薬を開発しようとしすぎると現業とのバランスが取れなくなってしまいます。

食べ過ぎると体にとって良くないように、新薬を多く作りすぎず、適当なバランスをとることが必要なのです。

多くの製薬業界の会社は、研究開発に始まり、研究開発に終わりますが、その全てが無駄と言うことはありません。

・先を読む難しさ

ある薬が良いものだとしても、それが、良い売上につながるかどうか予測することは非常に難しいです。

たとえば、ぜんそくのくすりとしてのアスピリンは、やりすぎと考えていましたが、ベビーブーマーの世代では、それらが、急速に伸びました。

しかし、その後、監査機関が副作用の危険があるということで、製薬業界は自主的に撤退をしていきました。

このように、薬が良いとされる時と悪いとされる時が別れたり、代替え品が出てきた時に、我々はどの会社が今後、求められていくのかを注意深くウォッチしていかなければなりません。

まとめ

投資家は豊富な製品ラインナップと、これまで、成功裏に新薬を市場投入してきた会社を探しているものです。

もし、ある会社の製品が、一貫性を持った狙いがあり、人口統計学上、ピタッとはまり、病気などにも適しているということになれば、その会社は、有望な投資先となるでしょう。

もし、少数の会社のみを選ぶなら、大手の企業を選ぶのがおススメです。

分散投資で、小さな会社も入れたい時は、パートナーとのこれまでの提携や研究開発の度合いをみて考えてみるのもよいでしょう。