交通事故の後遺障害は症状固定がポイント

最終更新日 2024年10月28日 by iryou

交通事故に遭うと、後遺障害が残って日常生活に支障が出ることがあります。

歩けなくなってしまったり、麻痺が残って体がうまくうごかせなくなり仕事が十分にできなくなると被害者は非常に不利な立場になります。

交通事故に遭って後遺障害になってしまう人の割合は20人に1人、つまり5%と言われているので決して他人事ではありません。

 

交通事故による後遺障害は交通事故によって生じた後遺症のことで、事故の発生から6ヶ月経過した後でも治る見込みがなくて、医師が症状固定と判断した後に自賠責機関から後遺障害と認定される必要があります。

ケガを治療してリハビリに励んでも、もうこれ以上症状は改善しないという状態が症状固定です。

これが認定されるかどうかのポイントなのですが、何故これが必要かというといつまで治療が続くのか判断できませんし、加害者側が損害賠償を払い続けるのが難しくなることがあるからです。

治療に必要になった費用は全て加害者側に請求することができますし、仕事を休んでいる間の休業損害金も相手の保険会社から受け取ることが可能です。

 

ただ、症状固定になるというのは実質的にはそれ以上治療しないということなので、その時点で支払いが打ち切られてしまいます。

損害賠償の面から見れば、症状固定=治療の終了です。

これまでにかかった傷害は休業損害、入通院慰謝料、交通費などとして請求できます。

症状固定後に残ってしまった症状は後遺障害として認定されることになり、認定された投球に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益を請求していくことになります。

症状固定を行わない限り等級認定の申請手続きができないということに注意する必要があります。

 

この症状固定は、しばしば問題になります。

治療をしていると、保険会社から「そろそろ症状固定をしたほうがいい」と言われることがあります。

ここですぐにOKを出してしまうと適正な範囲で補償が受けられなくなることがあります。

なぜ保険会社から言い出してくるかというと、少しでも保険金の支払いを少なくするためです。

できるだけ早い段階で被害者に症状固定を認めてもらえば、保険会社の支払金は少なくすることができます。

まだ被害状況がよくわからない時に症状を決められてしまうと、本来であれば等級がつくところを等級無しにされてしまうこともあります。

 

こういう時には、弁護士に相談してみるといいです。

弁護士に相談するメリットは、

  1. 適切な症状固定のタイミングや時期を教えてもらえる
  2. 適切な等級を獲得できて慰謝料が増額する可能性がある
  3. 仕事ができなくなってしまっても困らないくらいの保障が確保できる

ということです。

例えば、等級なしと判断されると治療費+入通院慰謝料しか支払われず、入通院慰謝料の額も少なくなり145万円という判定が出たことがありましたが、弁護士に依頼して等級7級が受けられた場合は慰謝料が1000万円、逸失利益が620万円で入院慰謝料の金額がアップして1756万円請求することに成功した事例もあります。

等級が認められずに泣き寝入りしてしまうようなことにならないように、弁護士など頼れる人に相談することが大切です。

放っておいてしまうと、加害者と被害者が加入している保険会社が一緒だったりすると勝手に手続きが行われて最悪の場合知らない間に等級が認定されてしまうこともあります。

保険会社は専門家だからと考えて手続きを任せてしまうケースもありますが、透明性がないまま手続きを進められてしまうこともあるので不安であれば交通事故が得意な弁護士に相談したほうがいいでしょう。

保険会社から「症状固定しましょう」と言われてもすぐに結論を出さないことが大切です。

出典:後遺障害を弁護士が解説 | 交通事故&後遺障害の相談サイト

 

■後遺障害は交通事故の中でも特に賠償金が高くなる

後遺障害という症状は、交通事故の中でも特に賠償金が高くなる症状であると判断されています。

一般的に、後遺症に関しては、治療行為を行った後も機能障害や神経症状などが残ってしまっている症状のことを意味します。

ただ、後遺症に関してはその後の治療やリハビリによって症状が回復できる可能性が存在するという点に大きな違いがあります。

後遺障害というのは、将来においても全く回復の見込みが存在しない、症状固定と呼ばれる症状になることを意味します。

ですから、この症状になってしまった際には、普通の日常生活に戻ることができないわけですから相応の慰謝料を請求しなくてはいけません。

 

後遺障害が認められるためには、まず交通事故によってケガをしている必要があります。

そして、そのこの事故とケガ、症状固定との間に因果関係が存在することを証明しなくてはいけません。

この証明は、客観的な証拠によって行うことが求められ、医学的にも証明書を作ってもらう必要性があります。

また、社会人として働いている場合には、仕事ができなくなるなどの労働力の低下が認められることも大切です。

社会人が仕事をできなくなると、その後の生活に支障が生じることになりますので、仕事をしなくても生活ができる程度の賠償をしなくてはいけません。

これらに該当している場合には、交通事故の後遺障害であると認められることになります。

 

後遺障害は、傷害と後遺障害部分の二つに分けることができます。

傷害というのは、現実的にケガをしてしまったときに生じた損害を賠償するための保証です。

例えば、ケガをしたときには病院で治療をしなくてはいけないので、その治療費を支払ってもらわないと被害者が全額負担をしなくてはならなくなります。

そのときには、諸経費として交通費や入院費なども支払わなくてはならないので、諸々の費用としてもそれらの費用が必要になります。

これが障害部分と呼ばれるもので、一括して請求することができます。

 

一方で、後者に関しては特に逸失利益というもの重要になります。

逸失利益というのは、上記の例で述べれば労働力の低下がそれにあたります。

労働力が低下したことによって、働くことができたのに働くことができなくなってしまった人は、働くことができた分だけの賠償を貰わないと割に合いません。

当然ですが、症状固定になっているわけですから将来的にも回復を見込むことができないため、将来的にも働くことができる可能性は低いわけです。

こうした場合には、労働力が低下したことによって逸失利益として、非常に大きな賠償請求を求めることができます。

 

また、それぞれの保険に関してもきちんと理解しておかなくてはいけません。

交通事故がほかのトラブルと大きく異なるのは、保険に加入していることを前提として話が進められていくことです。

日本では、自動車を購入した時点で自賠責保険という保険に加入しなくてはならず、最低でもこの保険の適用を受けることが可能です。

それに加えて、必要ならば民間の保険会社に加入することになるため、自賠責保険とこの民間の保険会社の基準は実は同じではありません。

別々の目的によって設立されている保険であるため、一般的な賠償請求の金額も民間の保険会社の方が大きくなるという特徴があります。

強制加入の自賠責保険に関しては一律に支払われる基準が存在するため、症状固定で大きな請求ができるとしてもそれは一律に決められた金額になります。

一方で、民間の保険会社に関してはこの限りではありませんので、被害者の方はより金額が高くなる弁護士を基準に、保険会社の方は自社が有利になる基準で示談交渉を進めていくことになります。

 

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