最終更新日 2025年1月7日 by iryou
税理士法人と税理士事務所というのは、まったく同じものというイメージを持っている方も多くいます。
しかし実際には同じものではなく、定義の面から違いが見られます。
その違いを理解したうえで、状況に応じて利用できるようにすることが大切です。
税理士事務所とは
まず税理士事務所というのは、税理士の方が個人事業主という形で個人経営しているものです。
個人で経営している事務所なので、税金の種類で考えた場合には運営している代表に所得税が課税される仕組みになります。
実際に個人で経営している税理士の方も多く見られます。
一方で税理士法人というのは、個人ではなく2人以上の税理士が一緒に設立する法人形態のことを指します。
個人事務所ではなく、会社という組織で働くという形態なのです。
形態としては会社になるので、所得税ではなくかかる税金は法人税という扱いになるのです。
つまり税理士事務所か法人かという違いは、会社組織で言えば個人事業か株式会社かというようなことになります。
税理士法人の仕事内容とメリット
では形態の面で違いがあるとしたら、仕事内容にも差があるのでしょうか。
差があると思っている方もいますが、実際に活動する内容はほとんどありません。
税理士事務所も法人も、中小企業の会計や税務申告を同じように行っています。
ここで問題になるのが、仕事内容は同じなのに2人以上の税理士で法人にすることにはどのようなメリットがあるのかという点です。
メリットの1つが、支店展開が可能だという点です。
個人事業の事務所であれば、東京で開業したら大阪などに事務所を出すことはできません。
開業した場所にしか事務所を設置できないのです。
一方で税理士法人の場合には、支店に税理士がいれば複数の支店を出すことも可能です。
本店は東京であっても、大阪や横浜など複数の拠点を作ることで業務の幅を広げることにつながります。
例えば取引先の企業が、複数の支店を持っているということもあるでしょう。
支店がある法人になれば、複数の所在地がある企業のサポート業務も請け負いやすくなるかもしれません。
また税理士法人のメリットの1つが、複数の人材が所属しているという点です。
個人事業の場合には、代表である税理士が倒れたら業務が滞ってしまいます。
一方で複数人で始めた法人であれば、誰かが働けなくなったら別の方がサポートできるというメリットがあげられます。
税理士事務所を利用するメリットの1つが、対応が早いという点です。
個人経営だからこそ意思決定のスピードが速く、アットホームな雰囲気で利用できるケースも見られます。
ただし代表者の能力によって、事務所の運営にも大きく関わってくるという点を押さえておきましょう。
複数の税理士が所属しているところなら、それぞれがお互いの得意分野を活かして働くことも可能です。
事務所と法人のどちらを選んだらいいのか?
実際に税理士を利用したいという方には、事務所と法人のどちらを選んだらいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
依頼できる業務内容自体は同じなので、状況に合わせて利用するところを選ぶのも1つの手です。
また実際に利用したい場合には、利用者の評判や口コミなどを参考にすることも可能です。
利用者の評判や口コミを知ることで、安心して利用できそうなところを選ぶことにつながります。
評判や口コミを参考にするときに忘れてはいけないのが、利用者によって同じところを利用しても感じ方には違いがあるという点です。
感じ方の違いを把握したうえで、自分に合ったところを利用できるようにしましょう。
同じような条件で利用した方の意見を参考にすることで、相性が良いところを選びやすくなるかもしれません。
また税理士を利用したいときに大切なのが、信頼して手続きを任せられるのかという点です。
企業のお金に関する情報に関わる方だからこそ、信頼できるかどうかはポイントの1つです。
そこで依頼を決める前に、一度相談に行ってみるようにしましょう。
直接担当者と話して相談することで、自分と相性が良いところを選ぶことにつながります。
税理士法人のほうが優れていると考える方もいますが、個人の事務所のほうが気軽に相談できることもあります。
自分の状況を見ながら、法人と事務所のどちらが適しているか検討するのも1つの手です。
さまざまな視点から考えて、自分に合った形で利用できるようにすることが大切です。
また実際に事業を行っている方は、長い期間税理士にサポートしてほしいという方もいるでしょう。
そのような場合には、長く利用できそうなところを選ぶことも大切です。
まとめ
税理士法人や個人の事務所は数が多いので、1つの地域だけでも利用できる候補はいくつも存在しています。
候補が多いからこそ、どのような基準で利用するところを選ぶか迷ってしまう方も多いのです。
そのため候補を把握したうえで、評判や口コミさらには実績に注目してより良いところを選べるようにしましょう。
今だけではなく、将来のことまで考えた選択が欠かせません。